ヘルスケア情報・豆知識

坐薬の話
これからの季節、ウィルス性の胃腸炎などが流行する時期になり、吐き気止めの坐剤と解熱作用のある坐剤を一緒に処方されることがあります。よく処方される坐薬の例で、ナウゼリン坐剤とアルピニー坐剤があります。両方とも使用したい時、どちらを先に使いますか?
ナウゼリン坐剤は水溶性の基剤で作られており主薬のドンペリドンは脂溶性の薬剤、アルピニー坐剤は油脂性の基剤で作られています。つまりアルピニー坐剤を先に使ってしまうと直腸にアルピニー坐剤の基剤が残ってしまうことがあり、後に入れたドンペリドンが吸着されてしまい、効果が減弱してしまう可能性があります。医師からの特別な指示がない限り、ナウゼリン坐剤を先に入れて30分以上たったところで、アルピニー坐剤を使う方が効果がより発揮できるということです。ただ早く解熱させたいということから、アルピニー坐剤を先に挿入した場合、1時間以上の十分な時間をあければ、影響しあうことがなく効果が発揮できるようです。このように順番が違うだけで、十分に効果が出ないことも多々あります。アレッどうしたら・・・とお悩みのときは、是非ご遠慮なさらずに薬剤師にご相談くださいませ。
株式会社アサヒファーマシー相南薬局 薬剤師 山田京子

目
毎日の生活の中で目が浴びる紫外線について気にしている人はどれくらいいるでしょうか。目も、紫外線を浴び続けると病気を引き起こす可能性があります。
大切な目を守るためになにができるかを確認しましょう。
対策・日傘をさす・帽子をかぶる・栄養をとる・サングラス(UVカット機能)をつける
では具体的にどのような栄養を摂るのが良いのでしょうか?
・ルテイン ほうれん草やかぼちゃなどの緑黄色野菜に豊富です。 太陽の日差しから目をバリアしたり、目の機能を保つ助けをします。
・βカロテン 人参やトマトに豊富に含まれます。体内でビタミンAに変わり、 目の潤いを保ちドライアイを防ぐ役割があります。
・アスタキサンチン 目の疲れ予防やその改善に効果的です。 鮭やイクラなど赤色の魚類に豊富に含まれます。
年々紫外線は強くなっています。お肌だけでなく、目も気にして健康を維持しましょう。
愛川薬局 薬剤師 小山英敏

夏バテ
夏本番!暑さとジメジメとした天気につられて、身体まで元気をなくしていませんか?なんとなく身体がだるい、食欲がない、そんなあなたは夏バテ気味かもしれません。
夏バテ対策に摂りたい栄養素はたんぱく質・ビタミンB1・ビタミンC・カリウムです。
昔から夏バテにうなぎや豚肉が良いといわれるのは、疲労を回復させる、たんぱく質とビタミンB1が多く含まれるからです。大豆製品・枝豆・モロヘイヤ・玄米・カツオなどにも多く含まれます。ビタミンB1はいろんな食材に含まれますが、実はどの世代でも不足気味です。また水溶性のビタミンのため、カルシウムや鉄のように長く体内に留めておくことができません。理想をいえば、毎日、毎食しっかりとることが大切です。アリシンを含むニンニク・ねぎ類・ニラなどと一緒にとると、吸収がよくなります。
ビタミンCは抗ストレス・抗酸化作用があります。野菜や果物、じゃがいもなどに多く含まれます。
カリウムは血圧降下作用・筋肉や心筋の活動を正常に保つ働きがあります。大量に汗をかくと失いやすい栄養素です。野菜・海藻・果物・芋類に多く含まれます。
夏バテ対策の食事は量より「質」です。暑いと、つい蕎麦やそうめんなど、冷たい麺類単品の食事になりがちですが、主食のみ単品の食事をすると、糖質をエネルギーに変えるために要するビタミンB1が消費されてしまい、逆に疲労が回復されず、夏バテしやすくなります。色々な食材を一緒に食べることができる「丼もの」にすると、手軽で簡単にバランスよい栄養素をとることができるので、おすすめです!
株式会社アサヒファーマシー 追分薬局薬剤師 廣見聡士

紫外線から体を守ろう!
紫外線による日焼けは、軽いやけどの一種と言えます。目が強い紫外線を浴びると、充血や目の病気の原因となる可能性があります。紫外線対策をしっかりして、体を守りましょう。
紫外線を浴びる時間を減らしたり、肌の露出を減らす10時から14時頃が、特に紫外線の強い時間帯と言われています。昼間の外出を避けたり、なるべく日陰を通るなどするとよいでしょう。外出時には日焼け止めを塗り、肌を守りましょう。日傘、帽子、紫外線カットのサングラス、アームカバー、UVカット機能のあるカーディガンやパーカーなどで肌の露出を減らしましょう。
アフターケアをしっかりとする日焼けをした肌は、熱をもっている状態です。まずは、冷たいタオルや保冷剤で、しっかりと冷やしましょう。肌のほてりが収まったら、日焼け止めを洗い流してから、しっかり保湿することが大切です。
栄養をとるトマトに多く含まれるリコピンは、日焼けの予防や日焼けした肌の回復によいと言われています。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどの、紫外線のダメージを和らげる作用のある栄養素もとりましょう。
株式会社あさひ薬局薬剤師 濱野真梨子

低血糖の対策
外出先で低血糖を起こし、手元にブドウ糖がないと慌てたことがある方はいませんか?実は、そのあたりの自動販売機にある清涼飲料水でもブドウ糖が入っているものならば、1本くらい(150~200ml)で対応可能なのです。ただし、カロリーオフになっているものは効きませんので注意してください。また、炭酸飲料も150ml飲むのは大変なので、避けたほうが良いです。病院や薬局でブドウ糖をもらえなくて困っている方は、現在服用しているお薬を見てみてください。ブドウ糖が必要となるのは、糖の分解を抑える薬を服用している時のみで、それ以外の血糖降下剤は調理用のお砂糖で大丈夫です。こちらは20gくらい。もちろん清涼飲料水でもOK。どうしてもブドウ糖でないと心配という方は、スーパーやドラックストアでも買えるところもあります。まずは、低血糖を起こさない生活習慣が大切です。食事の時間がずれる時は、清涼飲料水を1本持っておきましょう。気軽に持ち運べる飴玉は、即効性に欠けるので低血糖対策にはおススメできません。
株式会社アサヒ函南薬局薬剤師 鈴木裕子

糖尿病の話 3/3
今回は糖尿病の予防・治療で大切な運動療法の話です。
運動療法を行う目的はブドウ糖や脂肪の消費、インスリンを聞きやすくする、体重管理などです。
運動療法と聞くと食事療法と同じように体に負荷をかけて、汗をしっかりかいて、体を鍛える、という酷な状況が思い浮かぶかもしれませんが、あくまでも目的は上記のことであって、体を鍛えることではありません。
運動療法ではブドウ糖や脂肪を効率よく利用するためあまり負荷をかけない中程度くらい、それ以下の運動を継続します。洗濯や掃除などの家事、買い物などは軽い運動の一部になりますし、エスカレーターを使わず階段で登る、ラジオ体操やウォーキングなども運動療法においては効果的です。最初は単発でも良いと思いますが、徐々に徐々に時間を延ばして生活の一部になるとより効果的だと思います。運動療法も食事療法と同じく「続けること」が大切です。
運動療法は合併症があるような方は無理に行わないほうがよい場合もあります。また、運動中・運動後の低血糖症状の発現には注意が必要です。
株式会社アサヒファーマシー 追分薬局薬剤師 廣見聡士