痒みの症状で皮膚科を受診された患者さんに、保湿剤だけが処方される事があります。
患者さんからは「痒み止めは出ていないの?こんなに痒いのに保湿剤だけなんて・・」
と言われることもあります。
実は痒みの原因のほとんどが皮膚の乾燥です。
実際、保湿剤を使用するだけで皮膚が潤い、痒みが鎮まることは多いです。
そのため、かゆみ止めやステロイド剤等は処方されていないのです。
また、乾燥だけが原因ではない皮膚疾患においても、ステロイド剤等と保湿剤を併用するケースが多く、保湿が皮膚症状改善に重要であることがうかがえます。
そのほか、不眠で睡眠導入剤を色々試しても改善しなかった方が、実は痒みで眠れない状態だった事が判明し、保湿剤の使用で痒みが治まり睡眠状態も改善したという事例もあります。
保湿はそういう意味でも大切なのです。

一段と乾燥しやすい冬の季節。
皮膚トラブルを未然に防ぐためにも、普段から皮膚の保湿を心掛けましょう。
保湿クリームやローションは多種市販されているので、ご自身に合った保湿剤を見つけてセルフメディケーションを行ってみてはいかがでしょうか。
株式会社あさひ薬局
薬剤師 増田幸恵